山羊座第6グループ(やぎ座26から30度)応用編の感想、Part1です!

2017年1月3日開催のサビアングループ研究会で
Kyokoが発表した内容を、Fさんが、一部、おすそ分けして感想を記します。

今回のレポートのテーマとなる度数は

山羊座28度のサビアンシンボル A large aviary.(ジョーンズ版)
『大きな鳥小屋』すずきふみよし の訳

あるいは…

牡牛座29度のサビアンシンボル A woman reading tea leaves.(ジョーンズ版)
『紅茶占いをする女性』 すずきふみよし の訳

出生時間がわからないチャートの太陽は
2つの度数の可能性があるので、比較しつつ考えなければならず
だからこそ理解が深まります

今回は、Fさん独自の解釈や気付きが、たくさん盛り込まれてますよ。(Kyoko

 

A・A・ミルンの太陽(山羊座28度か29度) のサビアンレポートの感想

 

ミルンはあの有名な「クマのプーさん」シリーズを書いた人なのですね。

ここだけの話ですけど、実は私は「クマのプーさん」は…
てっきりディズニーのオリジナルだとばかり思ってた…。
子供の頃、絵本を読んだ記憶はあるのですけど…。

今回もkyokoさんのレポートには
対象者のチャートとプロフィールが別資料として添えられており、
これを一読すればミルンさんの人柄と人生の流れが
だいたいわかるように纏められています。

この別添資料を読むだけでも楽しく、
レポートの中で今回のテーマである太陽のサビアンシンボルを、
kyokoさんはどのように考察されたのか、とても興味を掻き立てられます。

なるほど、別添資料というのはレポートの補足の役割もさることながら、
中身へ読み手をスムーズに誘導する役割も果たしてくれるのですね。
うーむ、纏めるのが苦手な私にはかなりハードルが高い…。

ミルンさんを少しご紹介しますと、1882年1月18日、
ロンドンで私立男子校のオーナー兼校長をしていた父親の下、
三人兄弟の末っ子として生まれました。

生まれ時間は不明なので、正午でソーラーハウスチャートを作成。

 


金髪の巻き毛と澄んだ青い瞳がまるで天使のように愛らしく、
しかもとても利発な性格だったので、ご両親だけでなく、
周囲の人々にも愛されて育ったようですね。


一つ年上のお兄さんも、とても優秀で、
ミルンさんは、このお兄さんと、とても仲良しだったようです。


長じてからは兄弟合作で詩を作って投稿したりしています。


ミルンさんは幼い頃から作家になることが夢だったようですが、
お父さんの学校で教えていた教師の中には、あの有名なH.G.ウェルズ
(SF作家の大御所。社会活動家や歴史家としても名を残している人です。
フリーメイソンのメンバーでもありました)がいて、
ミルンさんも数学や化学を教わっていたそうですから、
彼からの影響も無視できない要素ですね。


Kyokoさん作成の略歴によれば、8歳頃から既に校内誌に作文が掲載され、
その後入学したパブリックスクールでも、
11歳頃から学校の雑誌に詩やパロディを掲載していますので、
早くから物を書く人間としての頭角を表していたのですね。


大学卒業後はフリーランスで仕事をしたり、
編集者をしたりしながら執筆活動を行っていましたが、
続き物の連載が当たったり、エッセイで人気が出たりして、
作家としての名声も徐々に上がってゆきました。


第一次世界大戦に兵隊として参加したあとは独立して、
その後しばらく劇作家として創作活動を続けています。


劇作の方でもヒット作をいくつか生んでいますし、この間、
唯一の推理小説も書いて高評を博しているので、
作家としてのミルンさんにとっては、とても良い時代だったのかもしれません。


子供向けのものを書くようになったのは「夕べの祈り」という、
息子のクリストファー・ロビンのお祈りを題材とした
とても可愛らしい詩を書いたことがきっかけでした。


「夕べの祈り」は当時イギリス中で大ヒットしたそうですよ。
特に子供のいる家庭で多く愛読されたとか。


その後に出版された「クリストファー・ロビンのうた」は、
イギリスだけでなく、アメリカや英語圏の国でもとても人気が出ました。


その人気を受けてのことなのでしょう、その後、
クリストファー・ロビンのぬいぐるみを主人公にした
童話「クマのプーさん」を発表し、
毎年一冊ずつプーさんシリーズを発表してゆくのですが、
そのおかげでミルン親子はとても有名になります


(しかしそれは後に親子の断絶に繋がってゆくのですが
   …興味のある方は調べてみてね)。


ベストセラー児童作家として不動の地位を築いたある日、
ミルンさんの最愛のお兄さんが亡くなってしまいます。


その後は時折、戯曲の上演や短編小説、自叙伝の発表などはあるものの、
ミルンさんの創作活動は目に見えて失速し、
最後の戯曲を発表した5年後に74歳で亡くなりました。


別添資料にはミルンさんのレクティフィケーション図と
レクティフィケーションのためのソーラーアーク図
そしてそれらの解説も添えられています。


息子のクリストファー・ロビンの出生図と、
ミルンさんとの相性図、そして彼に強い影響を与えたと思われる、
H.G.ウェルズの出生図も参照資料として添えられていて、
思わず見入ってしまいました。


ミルンさんと、クリストファー・ロビンの相性図は、
お互いの冥王星がお互いの月とオポジションを取っていて、
抑えつけあいみたいな感じがしてなんだか苦しそう。


しかもミルンさんの冥王星は
クリストファー・ロビンの太陽にスクエアなんですね。


この相性図を見るだけで、クリストファー・ロビンは、
偉大なお父さんを持って色々大変だったんだろうなぁ…
となんだか同情的な気持ちになってしまいます。

 


今回のテーマとなるのはミルンさんの太陽で、
kyokoさんのレクティフィケーションでは山羊座の29度となり、
サビアンシンボルは「紅茶占いをする女性」となります。


ドデカテモリーは12番目で射手座、デーカンは乙女座です。


今回のkyokoさんのレポートは
「太陽は、その人自身の生き方であると同時に、
その人の父親のイメージも若干、含まれているだろう。」
の一文でスタートしています。


私立男子校の経営者兼校長だったミルンさんの父親の、
徹底的な潔癖さや勤勉さのエピソードが紹介されました。

 

太陽のサインである山羊座は厳格な父親のイメージですが
射手座の要素から学校の先生はイメージしやすく

乙女座の要素も特徴にあらわれていて納得します。


それは、ミルンさんがお父さんの人となりの
どの部分から最も強く影響を受けたのか、
そしてそれがどう人生に反映されたのか、を知る手掛かりにもなりそうです。


プーさんは、ミルンさんの息子の
クリストファー・ロビンのお気に入りのぬいぐるみでした。


ミルンさんはプーさんと遊ぶ息子の姿からインスピレーションを受けて
プーさんの物語を書いたわけですが、物語の中でプーさんはよく詩を作っているようです。


少しkyokoさんのレポートを抜粋してみます。


おそらくプーさんと同様にミルンは詩や物語をおろしてきたのだろう。
その秘訣は「あっちがこっちを見つけてくれる場所に行くこと」

山羊座29度のキーワード「占い(英文ではread)」は、
文字通りの意味というより、特定の世界への精通、豊富な実体験を背景にした
「直感的な判断力・全体像の俯瞰力」を意味しているのではないかと思う。

ただ、ミルンほどの「霊感」にまで高まるには、海王星等の関与が必要だと思う。


プーさんの物語そのものが、ミルンさんの太陽のサビアンシンボル
「紅茶占いをする女性」の表現の一端なのですね。

 

国境を越えて今なお、世界中の人々に愛読され続けているプーさんシリーズには
きっと一番よくミルンのサビアンシンボルが表現されているのではないかな、と私は思います。

 

それだけ長い間、多くの人々に愛されるということは、
その作品に人々の心の奥深いところ、無意識的な部分に
強く働きかけるものがあるということでしょう。


占いも同じように、時には人々のそういった奥深いところへ働きかけたりします。


それは何かこう、言葉ではうまく説明しづらいのですけど、
プーさんの物語が長く愛される理由に通じるものがあるような気がするのですよね。


レポートの最後のところでkyokoさんは、
ミルンさんのお父さんやお祖父さんが運営した「学校」や「教会」は、
子供たちや信者たちを集めて「養っている」という点で
28度の「大きな鳥小屋」の雰囲気がある、と述べられました。


基礎編ですずきさんから、28度は


「多様性の表れが一つの囲い込まれた状態の中にあって、
囲いの中で多様性が実現している、と捉えてみると良いのではないか」


との解説がありましたが、それを思い出して、


プーさんや他の動物たちが100エーカーの森に住んでいるという設定が
なんだか28度っぽいなぁと思いました。


森に守られ、他の世界とは区切られた空間の中で
イキイキと動き回るプーさんたち。


またプーさんたちの世界は、物語という、
私たちの住む世界とは区切られた空間でもあります。


石塚さんによると、29度は「他人の社会的な力を実際的に引き出す力を付ける」
ことがテーマでもあります。


その理論で考えてみると、ミルンさんは、物語の世界の住人が持つ力を引き出し、
それによって読む人々の心の深いところに働きかけた、ともとれます。


これってまさしく「紅茶占いをする女性」そのものだわ!と、
レポートを読み返しながら、かなり興奮してしまいました。


Kyokoさんは、ミルンさんに見られる28度「大きな鳥小屋」の雰囲気を、
29度に至るための重要なカルミック・ディグリーの表出である、
と捉えていました。


私もサビアンシンボルは、
単独で発揮されるのではないことに改めて気づかされ、


ミルンさんの29度が、それまでの度数を踏まえて、どのように輝いたのか、
kyokoさんのレポートで一部始終を見ることができました。


とても味わい深いレポートだなぁと思いました。


プーさんたちはある意味、100エーカーの森や、
物語という囲いから飛び出して活動している
と言えるのではないかしらん。


29度の「紅茶占いをする女性」はもしかすると、
囲いの中のものを外の世界に解放する力があるのかもしれないなぁ…。
などと妄想が爆走してしまうワタクシなのでした。

 

(感想=F)

 

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「くまのプーさん」の背景には
ミルン自身が過ごした幸せな幼年時代があると思います。


そのため、ことさら強く、カルミック・ディグリー(前度数)
の要素が現れていると感じます。


けれども、物語の最後で、主人公のクリストファー・ロビンは、
プーさんたちを残して100エーカーの森から去っていきます(9の数霊)。


A.A.ミルン自身も跡を継ぐことを期待された
父親の学校を去り、作家としての道を自らの力で切り開きました。


だからこそ、本人としては、いつまでも「くまのプーさんの作家(児童文学者)」
と、目されることは本意ではなかったのです。


サビアンシンボルは
前の度数(カルミックディグリー)からの流れで考えるとわかりやすく
前の度数には、家庭環境などの、その人の前提条件が
あらわれているケースが多いです。


特に29度という度数は、次のサインとの狭間にあるので
サイン全体を振り返り、相対化すること自体もテーマとなります。
「くまのプーさん」に漂う懐かしさは
そこを去ろうとしているからこそ、感じられるものなのでしょう。(by Kyoko

 

⇒  Kyokoによるレポート補足記事

⇒ 山羊座26度から30度【基礎編】

 

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